福島第一原発爆発事故により分断された福島県南相馬市 |
■ ここから先が警戒区域となる。自分の持っているガイガーカウンターは
ガンマ線を正確に測定できるため自治体発表の数値より高い毎時0.9μSV/h
という数値が計測された。 南相馬市片倉にある馬事公苑付近にて撮影。
■ 福島県の南相馬市は大きく分けて3つの区域に分断されてしまった。
・計画的避難区域
福島第一原子力発電所から半径20キロ以遠の地域でも気候や地理的な条件に
よって局所的に累積線量が高くなっており、事故発生から1年の期間内に積算
線量が20mSVに達する恐れのある区域が「計画的避難区域」になります。
・緊急時避難準備区域
福島第一原発から半径20~30キロ圏内の地域で緊急時に屋内退避や避難が
求められる可能性がある区域。常に自主的な避難を求められており、特に
子供、妊婦、要介護者、入院患者の立入が制限されている。保育所、幼稚園
や小中学校、高校などは休園、休校扱いになっている。
■検問中の警察官と許可証を持つ車両(一般車両なのでナンバーは修正しています。)
・警戒区域
2011年4月22日午前0時より福島第一原子力発電所の半径20キロ圏になる
南相馬市小高区全域と原町区の一部が警戒区域に設定されました。緊急時に
応急対策に従事する者や市長が一時的な立入を認める場合を除き、
該当する区域への立入を禁止。また該当する区域に生活拠点を持つ住民への
退去を命じました。現在、警戒区域との境界になる道路上には警察官を配備し
バリケードが設置され検問が行われています。写真は警戒区域の境界にて
検問を受ける車両。通行可能な車両は許可証をもっており警察官が確認する。
■地域分断で南相馬市の住民感情が爆発寸前。
取材した7/14現在、計画的避難区域と緊急時避難区域は通常より空間線量は
高いが、なんとか通常の生活は営めている。しかし24時間営業のコンビニは
市内で4件しかなくファミレスやマクドナルドも夜20時頃には閉店してしまう。
警戒区域が設定された事で地域が分断されてしまったため「なんで私たちだけ」
という不公平感から住民感情が爆発寸前。皆さん耐えているがこれがお盆を
過ぎたら一気に膨れ上がり、大規模なデモ活動にも発展しかねない危機的状況
のようなのだ。多数の南相馬市民から話を聞いた。
「浪江町や大熊町のように全体がダメならば諦めが付くが、一方は良くて一方
はダメという状況は諦めが付かない。」
「警戒区域以外も放射能が高い場所が見つかったら何時避難命令が出るのか
分からない。そんな中で私たちは生活余儀なくされているんだよ。」
このような住民の声が正しく報道されていない事がおかしいのです。